社長日誌 Vol.28「不安の正体」

2026.3.20(木)|大石 湧斗(おおいしゆうと)『AIチャットボットのシステム会社』

多くの会社に支えられてありがたいことに経営できていますが、売上が理想に比べてなかなか伸びない原因は、僕の不安と自信のなさと勇気のなさだった。

今日、父に言われて気づいた。


手札を全部出し切った

電気工事や人材派遣など複数の会社を経営する上柳代表と、代表の同級生が営む住宅街の蕎麦屋「手打ちそば 竹の家」に行った。めちゃくちゃ美味しかった。

ここでたくさん話した。自分たちの境遇、やってきたこと、苦難や成功体験、今やっていること、AIチャットbotの魅力——自分の手札を全て出し切った。

意図がある。手札を出し切った中からシナジーが生まれることがあるから。相手の会社の業務理解はまだできていないので、適当な協業提案や開発提案をするよりも、この機会をいただけたのだから「まず自分たちを知ってもらうこと」「相手を知る、理解すること」に徹した。

上柳さん自身、苦労して会社を立て直し拡大してきた方だ。多くのイベントで地域を盛り上げたり、電気工事の技術者を増やす施策やクラファンなど、いろんなことに挑戦している。彼の熱意とチャレンジ精神には本当に尊敬の念しかない。


質問する人は賢い

上柳さんの特徴として、話の深掘りをよくする。抽象的なものを「これってこういうこと?」と具体に落として、認識をすり合わせながら理解度を高めてくる。

この手法、多くの経営成績がいい社長がやっていると感じる。雄大グループの会長もやっている。

吉田松陰風に言えば、賢い人は質問するのを好む。他人の能力や知識を、まるで自分の知識や能力のように扱うと。他人の能力も自分の能力と思う大切さを実感した。

おそらくこの会話で、年下の僕らに対してでも分け隔てなく多くを吸収しているのだろう。自分も年齢が上がっても、その在り方でいたい。

今回は具体的に「これを開発しよう」という話にはならなかった。でも経営勉強会やイベントへの招待をいただいた。ここから信頼関係を深めて、上柳さんの会社に貢献できるいい提案があればどんどんしていく。


父のフィードバック——「お前はビビってるだけだ」

家に帰って、父にフィードバックをもらった。

ここからが今日の本題だ。

まず僕自身は「知ってもらう」という点では評価できる。でも——

「本間さんや坂本さん(インバウンドホールディングス代表)のようにスピード感のある経営者は、その場でご飯食べながらいい提案をして、決めて帰ってくるだろう」

と考えた。

実は上柳さんとの会食で、相手も「何か一緒にできないかな、やりたいな」と感じてくれていた。最後にイベントでのAI合成記念撮影のアイデアまで絞り出してくれた。……相手に気を使わせてしまったのだ。提案力のなさ。決めきれない課題が残った。

さらに別の日、望月さんと本間さんと妻と焼き鳥に行ったとき、望月さんが「AIチャットbotで電話予約しなくても集客できるようにしたい」と言ってくれた。そのとき僕は「本当にそれは必要なのか、費用対効果を検証してからじゃないと」と言ってしまった。

この話も父にしたら、こう言われた。

「お前はビビってるだけだ」

売るのはできるはず。でも売った後のことを考えて、本当に達成できるのか不安になっている。支えてくれている仲間を信用しきれていないだけだと。

ハッとした。


不安の正体

提案力がないんじゃなかった。自信がなかったのだ。

CTOの金子が今の案件を捌きながら自社プロダクト開発で拮抗している。インターン生のキャパもまだ未知数。受注して大丈夫なのか。みんなできなくて失敗したらどうするのか。費用対効果を出せずに期待に応えられなかったら、悪い噂が広まって経営活動できなくなるんじゃないか。

失敗を、無意識で恐れていた。

「期待に応えたい。だから準備は最大に、仕事はやる前から終わらせる」——Vol.11で書いた父の教えだ。その誠意の思考が、逆に自分の行動を止めていた。確信ができる仕事だけを受ける脳みそになっていた。


提案と発想

父が教えてくれたことを、ここに記す。

「自分が一歩出れないことも、相手を巻き込めば一歩出せる」

営業は「期待」が「お金」に変わる。これやれば儲かるなんておいしい話はない。だから一緒に失敗も成功も苦難も全て楽しめるように、期待に投資してもらう。

ここで父が区別したのが「提案」と「発想」だ。

提案は決まった成果を保証するもの。だから責任が重い。発想は一緒に巻き込んでやるもの。失敗も成功も一緒に味わう。同罪だ。

提案は難しくても、発想を共有すれば相手を巻き込める。一緒に作り上げるのだ。

今の僕の周りにいるのは経営者であり、見る目がある人たちだ。その人たちを信用して、発想のその先を見てもらって、期待に投資してもらう。相手の未来を一緒に作りに行く。一緒にやればその人のノウハウも経験値も吸収できるから、そこでも成長できる。

踏み込んでいかないといけない。


人は鏡

もうひとつ気づいたことがある。

会食後の帰り道、金子に「この案件、この内容だったらインターン生でもできる?」と聞いた。金子は「無理だ」と言った。でも紐解いて深掘りしていくと、「マニュアルがないから」とか理由が出てくる。一緒にやって言語化すればいいし、完璧な状態なんて一生来ないんだから試行錯誤するしかないし、インターン生も理解力がないわけじゃない。やってみたら案外できるんじゃないか。

そう言いかけて、気づいた。自分がそうだったじゃないか。

Vol.17で書いた。人は鏡だ。金子の不安は、僕の不安の映し鏡だった。

でも金子はすごかった。事務所に戻ったら、早速インターン生に教え始めていた。言われたことをすぐ行動に移す。正直、こんな自分にもついてきてくれて、不安な中で一緒に戦ってくれている金子には感謝でしかない。

僕が命を懸けるに値する仲間だと、改めて思った。


自分を壊す

今回の反省を経て、自分を壊して変化して、この状況に適応していく。

不安と自信の波はVol.26で村上さんに相談したばかりだった。あのとき「共存できるようになる」と教えてもらった。今日、父から「ビビってるだけだ」と核心を突かれた。

原因は全て自分にある。わかっていた。でも細かくは理解していなかった。

僕は今回、相手を巻き込んで一緒に物事を成し遂げるという覚悟を持つ。期待してもらえるような発想で、一緒に事業を進めていく。一歩踏み込んで、苦難も失敗も成功も笑えるように、関係性と行動と姿勢で見せていく。

もちろんうまくいかない時もあると思う。そのときにけじめをつけられるように準備もしておく。

父からは最後にこう言われた。「この誠実さで経営している会社が生き残るから、それは大切にしてほしい」と。

勇気を持って、やってみよう。

この状況を打破したいなら、まず自分が変わらないと。


株式会社Milestone(マイルストーン)『AIチャットボットのシステム会社』 代表取締役 大石 湧斗(おおいしゆうと) 社長日誌 Vol.28「不安の正体」

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