静岡のAI会社がデータで読む──中小企業のAI導入率・課題・費用の現在地と3つの打ち手【2026年版】

「よその会社は、実際どこまでAIを進めているのか」。経営者の方が一番知りたくて、いちばん人に聞きにくい質問ではないでしょうか。私たち株式会社Milestoneは、静岡県沼津市を拠点にAI開発とシステム開発を手がけている会社です。この記事では、その質問に、公的な調査データで答えます。

先にこの記事のルールをお伝えします。数字はすべて出典付きで書く。出典の取れない数字は書かない。そして、データにない部分は「静岡の相談現場の実感」であることを明示して書く。世の中にはAIをめぐる大げさな話も不安をあおる話も溢れていますが、経営判断の土台になるのは、出どころの確かな数字だけだと考えているからです。

導入率、進んでいる部門、つまずきの正体、費用、そして静岡ならではの動き。読み終える頃には、貴社がいま地図のどこに立っているのか──「自社の現在地」が見えているはずです。

導入率のいま──2割が導入、4割が前向き

まず、いちばん知りたい数字からいきます。

20.4%・18.6%・39.0%の読み方

中小企業基盤整備機構が2026年3月に公表した「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」によれば、中小企業のAI導入率は20.4%。導入を検討している企業の18.6%を合わせると、39.0%が導入に前向きという結果です。つまり、5社に1社はすでに使っていて、5社に2社は前を向いている。「AIはまだ一部の先進企業のもの」という感覚は、数字の上ではもう過去のものになりつつあります。この調査は全国の中小企業を対象にした大規模なもので、実態を測る定点として参照される調査の一つです。

一方で、裏を返せば約6割はこれからの側です。遅れているわけではありません。ただ、前を向く4割と様子見の6割の差は、これから数年で業務の生産性の差として表れてくる。それがこの数字の本当の意味だと私たちは読んでいます。

どの部門から、AIは入っているのか

同じ調査で興味深いのが、導入企業における業務分野別の導入率です。

業務分野AI導入率(導入企業内)読み方
総務・管理部門68.3%文書・事務作業との相性が良く、最初の一歩になりやすい
営業・販売・サービス部門60.3%問い合わせ対応・提案資料などで広がる
経営・企画部門58.5%情報収集・分析の補助として定着
製造・生産部門34.9%現場適用はこれから。伸びしろが最も大きい領域

出典:中小企業基盤整備機構「中小企業のAI等の利活用に係る実態調査」(2026年3月)

注目は、AIの入り口が「現場」ではなく「事務」だという点です。書類、メール、議事録、情報整理。派手さのない業務からAIは静かに広がっています。逆に、製造・生産の現場はまだ34.9%。静岡のように製造の裾野が広い土地にとって、ここは「遅れ」ではなく「これから取れる伸びしろ」です。貴社ならどの部門から入るか。表を眺めながら、一つ思い浮かべてみてください。その部門が、最初の一歩の有力候補です。

導入を見送っている会社の姿

同調査は、導入予定がなく必要性も感じていない層の姿も分析しています。その9割以上が従業員30人以下で、事業歴の長い企業に共通の傾向があり、現場作業や対面業務の比重が高い小売業や建設業で「不要」の回答が目立ちました。お気持ちは分かります。ただ、この記事の後半でお伝えするとおり、小さな会社ほど、そして現場中心の会社ほど、実は仕組みの恩恵が大きいことを、私たちは静岡の現場で見てきています。「うちの規模では関係ない」と閉じる前に、もう少しだけ読み進めてください。

世界と比べる日本、日本の中の静岡

視点を一段引き上げると、もう一つの景色が見えます。

日本企業の生成AI利用率は55.2%、主要国は9割超

総務省の令和7年版情報通信白書によれば、業務で生成AIを利用している企業の割合は、日本で55.2%。一方、中国は95.8%、米国は90.6%、ドイツは90.3%と、主要国はいずれも9割を超えています。また、生成AIを活用する方針を定めている企業は、大企業で約56%に対し、中小企業では約34%。日本は世界に対して、中小企業は大企業に対して、それぞれ差がある──これが現在地です。なお、日本企業の55.2%という数字も、数年前と比べれば劇的な伸びです。流れは明確に「使う」方向へ動いています。

差は、悲観材料ではなく「順番」の話

この差をどう読むか。私たちは「出遅れ」ではなく「順番」だと捉えています。道具は世界共通で、しかも急速に安く、使いやすくなっている。先に進んだ側が失敗も含めて道を均してくれたいま、後から始める側は、より確かな道を、より低いコストで歩けます。大切なのは、差を嘆くことではなく、自社が動く順番を今日決めることです。

静岡単独の統計は、まだ少ない──だから現場の実感で補う

正直にお伝えします。「静岡県の中小企業のAI導入率」を単独で示す、全国調査並みに整った公的統計は、現時点では多くありません。だからこの記事では、全国データを軸に、静岡県内の相談現場で私たちが見ている実感を、データと区別したうえで添えていきます。その実感を一つだけ先に言えば──静岡の経営者のご相談は、この1年で明らかに「情報収集」から「具体的に進めたい」へ変わりました。数字が整うのを待たずに、現場は動き始めています。

つまずきの正体──数字が示す課題

導入の壁は、技術ではありません。数字がそれを示しています。

課題の核心は「情報不足」

中小企業基盤整備機構の同調査では、導入にあたって不足している情報として「成功事例や活用事例などの情報」を挙げた企業が83.3%、「適切なベンダーや製品を選定する情報」が79.8%にのぼります。つまり、多くの経営者を止めているのは「AIそのものの難しさ」ではなく、「うちの場合はどうなのかが分からない」という情報の壁です。これは重要な発見です。情報の壁は、技術の壁と違って、相談ひとつで越えられるからです。

世代の差は、設計で埋める

総務省の同白書では、個人の生成AI利用経験は20代で44.7%、60代では15.5%と、世代差がはっきり出ています。現場の平均年齢が高い会社ほど「うちには無理」と感じやすい数字ですが、結論を急がないでください。この差が意味するのは「慣れを前提にした仕組みは現場で通用しない」ということであって、「使えない」ではありません。覚えることを減らし、話すだけ・選ぶだけで使える形に設計すれば、世代差は仕組みの側で吸収できます。実際、私たちが設計するときも、この数字を前提に、覚えることを最小にする方向で画面と流れを組み立てています。

失敗は、契約の前に仕込まれる

もう一つ、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)の知見も添えておきます。システム開発の失敗原因の多くは、技術力ではなく、要件定義など上流工程の認識のズレに起因する──。つまり、導入の成否は「何を作るか」を決める段階でほぼ決まります。事例の情報不足と、上流のズレ。数字が示す二つのつまずきは、どちらも「早い段階で、分かる相手に相談する」ことで避けられるものです。数字の裏にあるのは、いつも認識のズレ。データはそれを繰り返し教えてくれます。

静岡の追い風──県の推進体制と、地の利

全国データの話が続きましたが、静岡には静岡の動きがあります。

県も、産学官でAI導入を後押ししている

静岡県は「静岡県AI・IoT導入推進コンソーシアム」を設け、静岡大学、県の工業技術研究所、県産業振興財団などが連携して、中小企業のAI・IoT活用を推進しています。セミナーや現場課題の診断、伴走支援といった取り組みが、東部・中部・西部で展開されており、県内の中小企業にとって「学ぶ場」「相談する場」は着実に増えています。AI導入は、もう一社で孤独に悩むテーマではなくなりました。行政の後押しがあるいまは、学び始めるハードルが最も低い時期だと言えます。

IT人材の6割が首都圏でも、悲観しなくていい理由

総務省の国勢調査によれば、IT人材約125万人のうち約6割が首都圏に集中しています。県内で専門人材を採用するのが簡単でないのは、数字のとおりです。ただ、生成AIとクラウドの時代、技術への距離は全国どこでも同じになりました。人材を「雇う」のが難しいなら、「地元のパートナーと組む」。静岡のAI会社・システム会社という選択肢を使えば、採用競争に加わらずに、専門性を自社の隣に置けます。

相談の入り口は、思っているより近くにある

県の支援拠点、地域の金融機関、そして私たちのような地元の開発会社。静岡県内には、AIの相談ができる入り口がすでに複数あります。課題の核心が「情報不足」である以上、最初の一歩は導入ではなく相談です。そしてその一歩の距離は、貴社が思っているよりずっと近い。これは、データではなく現場からの実感です。

費用の現在地──「いくらか」より「どの範囲にいくらか」

数字の話の締めくくりに、費用です。ここは公的統計が乏しい領域のため、私たちの開発現場からの目安として明示したうえでお伝えします。

進め方初期費用の目安考え方
小さく試す数十万円〜1業務・1機能に絞って効果を確かめる
本格導入数百万円〜業務システムとの連携・複数業務への展開
基幹級の刷新数百万〜数千万円会社全体の仕組みの入れ替え

※上記はMilestoneの相談実務に基づく目安です。範囲・要件により変動します。

大切なのは、初期費用の数字だけで判断しないことです。月額の保守費×利用年数を足した「総額」で見る。そして、金額の妥当性は「その範囲に、その金額を払う価値があるか」で測る。安さの理由を確かめずに選ぶと、数字はあとから逆転します。なお、見積もりの内訳や範囲の確認は、それだけで一つの技術です。費用の入り口として、まず概算を知りたい段階のご相談も、遠慮なくどうぞ。その見方からお伝えします。

データから導く、静岡の中小企業の打ち手3つ

数字を眺めて終わりでは、もったいない。現在地から動くための打ち手に変換します。

打ち手①:「39.0%の側」に、小さく入る

導入済み20.4%と検討中18.6%。この39.0%の側に入るのに、大きな投資は要りません。総務・管理部門の事務作業から入る企業が最多という数字が示すとおり、最初の一歩は地味でいい。一番困っている業務をひとつ選び、小さく試す。それだけで、貴社は様子見の6割から前進の4割へ移ります。動いた後の景色は、数字を眺めていた頃とは、まるで違って見えるはずです。

打ち手②:「情報不足」は、相談で消える

課題の1位が事例情報の不足である以上、答えは明快です。事例を持っている相手に聞くこと。「うちと似た規模・業種で、どう使われていますか」。この一問で、83.3%の企業を止めている壁は、大きく低くなります。読む情報より、貴社に合わせて語られる情報を取りにいってください。

打ち手③:人材難は、地元パートナーで乗り越える

IT人材の6割が首都圏という現実は、当面変わりません。だからこそ、雇う以外の選択肢を。地元のパートナーと長く組めば、採用も教育も退職リスクも抱えずに、専門性を業務の隣に置けます。私たちMilestoneが「AIを制御する技術」を核に、貴社の業務・判断基準に合わせたAIを設計し、導入後も伴走するのは、まさにこの「隣にいる専門性」であり続けるためです。データが示すつまずき──情報不足も、上流のズレも、世代差も──は、隣に伴走者がいれば、すべて事前に潰せるものだからです。

この記事の出典と、数字の読み方の注意

最後に、この記事の土台を開示しておきます。

出典一覧

出典調査・資料この記事で使った内容
中小企業基盤整備機構中小企業のAI等の利活用に係る実態調査(2026年3月)導入率20.4%、検討中18.6%、部門別導入率、情報不足の課題
総務省令和7年版 情報通信白書企業の生成AI利用率55.2%、国際比較、企業規模別の方針、世代別利用率
総務省国勢調査IT人材の首都圏集中(約6割)
IPAシステム開発に関する知見失敗原因の多くが上流工程に起因
静岡県中小企業AI・IoT導入促進事業県の産学官推進体制(コンソーシアム)

調査によって、数字が違う理由

AI導入率は、調査によって数値に幅があります。理由は、調査の対象(規模・地域・回答者層)、AIの定義(生成AIだけか、画像認識なども含むか)、時期が違うからです。単一の数字を絶対視せず、出典と定義ごと読む。この姿勢が、数字に振り回されないコツです。

この記事は、毎年更新します

静岡の中小企業とAIの現在地を、出典付きで定点観測する。この記事はその2026年版です。数字は毎年動きます。動いた数字とともに、静岡の現場の実感も更新していきます。

よくある質問(FAQ)

Q1.まだ何も始めていません。うちは遅れていますか? A.約6割の会社が同じ側にいます。焦る必要はありませんが、39.0%が前を向いているのも事実です。「遅れているか」より「いつ動くか」。小さな一歩なら、今日決められます。

Q2.導入率2割と言われても、周りで聞きません。本当ですか? A.AIの導入は外から見えにくいのです。総務・管理部門の事務作業から静かに始まっている会社が最多という数字が、それを裏付けています。派手な発表がないだけで、隣の会社の中では、もう動いているかもしれません。静かに始めて、静かに差をつける。それが、いまの中小企業のAI活用のリアルです。

Q3.静岡県だけのデータは、ないのですか? A.全国調査並みに整った静岡単独の公的統計は、現時点では多くありません。だからこの記事は、全国データを軸に、静岡の相談現場の実感を明示的に区別して添える形を取っています。県内の動きが数字で見えるようになれば、更新版に反映します。

Q4.最初はどの部門から始めるのがいいですか? A.データ上の最多は総務・管理部門です。書類・メール・議事録など、どの会社にもある事務作業は効果が見えやすく、失敗のダメージも小さい。ただし正解は会社ごとに違うので、「一番困っている業務」から選ぶのが原則です。迷ったら、朝いちばんに思い出す面倒な作業。それが答えです。

Q5.この記事の数字は、どこで確認できますか? A.出典一覧に挙げた各機関の公式サイトで、原典の資料が公開されています。数字を経営会議で使う際は、ぜひ原典ごとご確認ください。出典付きで話せる数字は、社内の説得力がまるで違います。

Q6.従業員10名ほどの会社です。データ上は「見送り層」ですが……。 A.見送り層の分析は「傾向」であって「正解」ではありません。むしろ人数が少ない会社ほど、一人あたりの業務が重く、仕組み化の恩恵は大きくなります。規模を理由に閉じる前に、一度だけ、業務の棚卸しをしてみてください。

Q7.自社の「現在地」を、一緒に見てもらえますか? A.はい。この記事のデータと照らしながら、貴社の業務のどこにAIの余地があるか、30分ほどで一緒に整理できます。静岡県内は対面で、資料を挟みながらのご相談も可能です。

静岡でAI会社・システム会社をお探しなら、株式会社Milestoneへ

数字が示した現在地を、一行でまとめます。5社に1社が使い始め、壁は技術ではなく情報で、静岡には相談の入り口が増えている。つまり、動くための条件は、もう揃っています。

私たちMilestoneは、静岡県沼津市を拠点に、AIチャットボット開発・業務システム開発・AI導入支援を行っています。「AIを使う」のではなく「AIを制御する」を核に、データの裏にある「うちの場合はどうなのか」に、貴社の業務の言葉でお答えします。静岡のシステム会社・AI会社を比較中の方も、まず現在地を知りたいだけの方も歓迎です。

こんなご相談を歓迎しております

  • この記事のデータと、自社の状況を照らして整理したい
  • 「うちと似た会社の事例」を聞いてみたい
  • どの業務から始めるべきか、棚卸しから相談したい
  • 費用の概算を、範囲の考え方から教えてほしい
  • 静岡のシステム会社と、対面で現在地を確かめたい

訪問対応、オンライン対応、どちらでも可能です。30分ほどお話を伺うだけで、貴社にとっての「現在地と次の一歩の輪郭」は、たいてい見えてきます。

▶ ご相談・お問い合わせ https://milestone-net.com

「資料だけ見たい」「他社と比較検討中」というライトな段階のご連絡も、歓迎しております。

「やりたいをできるに、できるをできたに」。静岡の中小企業の長期パートナーとして、責任を持って伴走します。


株式会社Milestone(マイルストーン) 代表取締役 大石 湧斗(おおいし ゆうと) 所在地:静岡県沼津市

中小企業向けAIシステム開発・導入支援。「AIを使う」のではなく「AIを制御する」を経営の核に据え、業務にフィットしたAI導入を伴走型でご提案。静岡県全域と隣接エリアで対面対応可能。「やりたいをできるに、できるをできたに」をミッションに、貴社の長期パートナーとして責任を持ってご支援します。

関連記事